「発見BOX」から、生徒の「探究したい」を引き出す 〜電流とその利用〜 from wakuwaku”B”

wakuwaku"B"

第1回目の投稿はwakuwaku”B”から。

このブログはあくまでも、これが一番良い、というものではなく、生徒が「理科」にのめり込む、ワクワクできる授業を目指した理科教師のトライアンドエラーの記録です。「理科」を教えたい、というより「理科」を”使って”、”生徒に学ばせたいことがある”ということがメインスタンスです。

第2学年「電流とその利用」にて、探究的な単元デザインを実施してみました。

生徒にとって身近な電気の単元でありながら、計算が多くあり、数学の苦手な生徒には難しく、また習ったことを活用する場面が少ない、というのがこの単元のイメージでした。そこで、”電気”というものに親しみを持ち、すべての生徒が学ぶ意義を実感できることを目指して、「発見BOX」を活用して、生徒自身で探究する課題を設定し、自由に探究する流れを作りました。

当然、教えなくてはならないことも多くある単元なので、知技の習得と探究の時間のバランスを第一に考えて行いました。ここが公立中で理科を教えていく中で一番先生が苦慮するところであると思います。

では、単元構成から、どのような流れで進めていったのかご紹介します!

発見BOXで遊ぶ〜電気との出会い〜(2時間)

「発見BOX」:今回の単元で使うすべての器具、その他電気に関係があるものを詰めた箱

2時間を使って、「発見BOX内の器具を用いて、電気に関する『発見』を3つ挙げなさい」という課題に、男女別の4人組の班で取り組みます。そして2時間目の後半に各班で発表を行います。

生徒は発見BOXの器具を自由に触って『発見』をします。発表の仕方は、「こう発見した」「この器具はこう使えるのでは」「実際にやってみせる」など生徒に一任します。

<ここで実際に出た発見>

・電流計は、電気の大きさを測れる!(こうすると測定できそうだ)

・プロペラの回転方向は電池の向きによって決まっている!

・豆電球の明るさはつなぎ方でかわる・・・かも。

・電気を流しているとき、方位磁針が動く   などなど。

自分自身で、何を解き明かしていくかを見通す活動です。

教科書ベースで知技の習得(8時間)

第1章「電流と回路」について、基礎を学びます。「発見BOX」を使って、実験ベースで授業を進めます。自分の『発見』につながりがある部分に出会うので、『発見』との対比を常に意識させながらの学習になります。OPPシート(1枚の振り返りシート)で学んだことを振り返りつつ、その対比を記述するように指導します。

問いを選んで探究スタート(4時間)

最初の『発見』や学習中に生まれた『新しい問い』の中から、班で1つを選んで探究活動へ入ります。探究のルールはシンプルに、次の3つです。

  • 必ず何かの実験を行い、結果で検証すること
  • 班でよく話し合うが、報告書の記述は自分なりに工夫すること(表・グラフ・図など、まとめ方は自由)
  • 学んだ知識をしっかり使い、メモをたくさん残すこと

問いに対する予想を立て、検証する実験を考え、実験→考察→班での対話→振り返りまでを1枚のレポートにまとめていきます。実際に生徒が選んだ問いは以下のようになりました。

  • 回路の長さで電流の強さは変わる?
  • 電子オルゴールの音に法則ってあるの?
  • 電熱線を用いたストーブで空気の温度はどれだけ上げられる?
  • LEDと豆電球、結局どっちがエコ?
  • プロペラで作った掃除機のパワーは電気の値で変わる?

「なんでだろう?」から出発して、失敗してもめげずに方法を練り直す…という試行錯誤を、想像以上にアクティブに楽しんでいました。

電子オルゴールの音の法則性をオシロスコープを使って調べる班の記述
回路の長さによって電流の大きさが変わるかを調べる班の記述

探究の発表会と振り返り(2時間)

班ごとに探究の成果を発表します。評価は3観点で、実験の正しさだけでなく、予想と根拠のつながりや、問いと結論が筋の通ったストーリーになっているかまで見ていきます。発表の最後に、探究のフィードバックを全体で行います。

  • 問いに対する実験が適切かどうか。(条件制御、結果の見通しなど)
  • 結果の整理の方法(表やグラフなどの活用)
  • 考察のための結果の抽出ができているか  など

ここまでで実践終了です。

探究活動への振り返り

やはり再現性のある実験ができる物理分野は生徒主体の探究活動に向いていると感じました。何度も失敗しても、やり直すことができる。化学実験ではそうはいきません。

また、レポートの振り返りにおいても、”感想”に近いものよりも、実験自体に対する振り返りが非常に多く、過程に重きを置いて振り返る記述が多く見られました。

時数の都合上、電気の単元において、これまで指導してきたよりも、圧倒的に知識に対するアプローチが少なくなってしまいましたが、定期テストの平均点は例年に比べて下がることはありませんでした。すべてを探究に振り切ることは難しくとも、単元の中に組み込んでいくことは可能です。

今後も単元によって組み込んでいるパフォーマンス課題や探究活動をUPしていきます。

何かご質問・ご意見あれば、Contactからいつでもどうぞ!

以上、wakuwaku”B”でした!

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